組織コミュニケーションの変遷
- cancancanda
- 2022年7月11日
- 読了時間: 3分
組織内コミュニケーションについての関心が高まっています。今回は組織の中で個人がどのようなコミュニケーション環境に置かれているのか、個人と組織のコミュニケーションの在り方に焦点を当てて考えてみたいと思います。まずは組織内でのコミュニケーションの変遷から振り返ってみます。
私が社会人になった1987年は飲みにケーション、タバコミュニケーション、主に女性社員だがキッチントークなど会社の様々な「場」で雑談なり報連相があった。私がいたテレビ業界では喫茶店での会話から新番組のアイデアが生まれたり、アフター5の居酒屋が企画を通すための根回しの場だったりした。根回しというと今ではすっかり影が薄くなったが先輩や上司から美味しいメシをご馳走してもらえる楽しみもあった。ところがこの20年間でデジタル化が進み社内のコミュニケーションはガラリと変化することになる。Face to Faceの会話はPCメールに置き換わり、更に情報はSNS上で瞬時に手元で確認できるようになった=効率化。おかげで「言った/言わない」や「聞いてる/聞いてない」のような後ろ向きでムダな会議、理不尽な命令やハラスメントもずいぶんと減った=エビデンスやリマインドを記録、ルールの明確化・厳格化。あるいは面倒な飲みにケーションがなくなった分先輩や上司の愚痴を聞くこともなくなりプライベートを楽しむ時間も増えた。一方で根回しの場がなくなった代わりに会議の場でプレゼンテーションによって見える化され、同時に簡潔で説得力のあるプレゼンをするために数字(主に定量データ)に基づくロジカルな説明が求められるようになった。結果、個人のスキルが向上、成果や行動は公正・公平に評価され社員のモチベーションが上がって会社の業績も上がるはずであった・・・
リクルート社の調査によると、ここ2-3年の新入社員の不安のトップ要因はコミュニケーションであり、採用側のポイントもコミュニケーション能力の有無がトップだそうである。もちろんコロナによるリモート化の影響もあるだろう。しかし「失われた日本の20年」というコトバの如く、組織内には閉塞感と虚無感が横たわり、前回書いたような目標を持てないビジネスパーソンが想像以上に多い。その中心にコミュニケーションに関する喪失感が個人と組織の中に膿として出てきてはいないだろうか・・・
キャンドアでは、テレビ業界で200社3000人と向き合ってきた経験を基に、貴社のコミュニケーションと人材育成に伴走します。
次回は、個人と組織のコミュニケーションの在り方パート2として、組織を活性化するコミュニケーションについてお送りする予定です。






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